都市型ワイナリーの先駆け

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画像引用元:U.S.A.ANA

「マンハッタンの夜景」という印象しかなかったニューヨークの「ブルックリン(Brooklyn)」

ですが、今、アーバン・ワイナリー(都市型ワイナリー)が注目されていると知り、視察先に組み込みました。

アーバン・ワイナリー(Urban Winery)とは、他所の土地で栽培されたブドウを使って醸造のみを行うスタイル(業態)のワイナリーの総称です。

今回は、そんな都市型ワイナリーの先駆けである「ブルックリン・ワイナリー」をご紹介いたします。

ブルックリン・ワイナリー(Brooklyn Winery)

ブルックリン・ワイナリーの起業は2010年。

「都会でワイン造りが出来たら楽しい!」

創業者はIT関連のスタートアップ企業で同僚だった2人(ブライアン・レベンソーとジョン・スティアーズ)です。

彼らはニュージャージーのワイナリーで3年間修練した後、ブルックリン・ワイナリー(Brooklyn Winery)を起業しました。

醸造担当として迎えたチャック・ゲルゲィ(Chuck Gergley)は、カリフォルニア大学でワイン醸造を学び、サンフランシスコの都会型醸造所で働いていた逸材です。

3人の「ワインに対する熱意」と「若者の嗜好」を踏まえた新しいワインを造り、今では年商5億円を達成しています。

ブルックリンスタイルのワイナリー

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ブルックリン・ワイナリーの建物外観

画像引用元:トリップアドバイザー「ブルックリン」

ブルックリン・ワイナリーの建物は、クラブを改装して造られました。

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外観が簡素なので、
街並みに埋もれて通り過ぎそうになります・・・

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ワインバー

画像引用元:トリップアドバイザー「ブルックリン」

併設されたワインバーでは、お洒落なブルックリンスタイルを取り入れています。

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ブルックリンスタイル

画像引用元:トリップアドバイザー「ブルックリン」

納屋の木をベースにした装飾壁、第二次世界大戦の弾薬箱はワインラックとして、ヴィンテージの産業用照明、1940年代の美しい壁紙など・・・

全て再生素材でデザインされているのです。

ブドウはニューヨーク州だけでなく、カリフォルニア州の西海岸にあるナパヴァレー(Napa valley)、ソノマ(Sonoma)からも半冷凍で取り寄せています。

入荷と同時に、スタッフたちは昼夜を問わず醸造してせっせとワインを造っています。

初秋の8週間では、なんと150トンものブドウを仕込むため、醸造スタッフたちはその時期を「クラッシュ」と呼んでいます。

ツアー&テイスティング(Tours & Tastings)

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ツアー&テイスティング

画像引用元:BrooklynWinery公式サイト

●Winery Tours & Tastings(Brooklyn Winery 101):35ドル

ブルックリン・ワイナリーの「工場見学」「人気ワインの試飲」がセットになったツアーで、初心者にもワイン好きにもおススメです。

ツアー&テイスティングの参加者は全員、ツアー当日にブルックリン・ワイナリーのワインを10%オフで購入できます。

ツアーは、工場見学からのスタートです。

前半はシャルドネのワインを飲みながらの工場見学で、後半はカウンターに座って数種類のワインをテイスティングします。

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ツアー中はずっと飲み続けられるため、酔いが回ってしまうかも・・・

他にも、

●Wine & Cheese Tasting at Brooklyn Winery :45ドル

1時間のテイスティングで、ワインとチーズの「略歴」と「作り方」、そしてこれらの「風味の組み合わせ方」を説明します。

●Winery Wedding(結婚披露パーティー)

●Happy Hour(ハッピーアワー)

月~金曜の午後5時~8時まで。グラスワインは7ドル、軽食(バーナッツと盛り合わせオリーブ)は3ドルの特別価格で提供。

・・・など、たくさんの企画が用意されています。

なお、土日はプライベートイベントで貸切(一般客の入場不可)のことも多く、ツアーは事前予約制となっています。ご注意を!

⇒事前に営業スケジュールを確認できます。

コンセプト

ブルックリン・ワイナリーのコンセプトは、

「ニューヨークの女性や若者たちがワインに親しみ、その楽しさを多くの人達に知らせよう」

です。

スタイリッシュなワインバーでは、厳選した25種類の醸造ワインに加え、ビールやソフトドリンクの他、お酒と相性抜群の軽食やスイーツが用意されています。

ワインはいずれも個性的で、香りが強いもの、スパイシーな赤など、テイスティングで自分の好みが分かるでしょう。

人生の一大イベントである結婚披露宴も手掛けているとあって、マネージャーやスタッフの気配りも含め、ワイナリー全体から「顧客ファースト」の雰囲気が伝わってきます。

おわりに

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異業種から転職し、起業して10年足らずで年商5億円の人気ワイナリーに成長させた気鋭のワイナリスト3人。

そんな彼らの業績から、まだ醸造歴の浅い661ワイナリー開発に採り入れるべき事を学び、大きな収穫を得ることができました。

アメリカ視察シリーズはまだまだ続きます。お楽しみに!)